ビタミンとは|13 種類の分け方と、サプリメントのラベル・上限量の見方
Supplement DB 編集部・公開
ビタミンは、体の中でほとんどつくられないか、つくられても必要な量に足りないため、食事などからとる必要がある栄養素です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、13 種類のビタミンについて 1 日にとる量の基準を決めています。
1. 脂溶性と水溶性の違い
13 種類のビタミンは、油に溶けやすい脂溶性ビタミン 4 種類と、水に溶けやすい水溶性ビタミン 9 種類に分かれます。とりすぎたとき、水溶性ビタミンは尿に出やすい一方、脂溶性ビタミンは体にたまって過剰症を起こしやすいとされています。
| 分類 | ビタミン | 溶けやすいもの | とりすぎたとき | 上限量のあるもの |
|---|---|---|---|---|
| 脂溶性ビタミン(4 種類) | ビタミンA・D・E・K | 油 | 体にたまりやすく、過剰症を起こしやすい | ビタミンA・D・E |
| 水溶性ビタミン(9 種類) | ビタミンB群(8 種類)・ビタミンC | 水 | 尿に出やすい | ビタミンB3(ナイアシン)・B6・B9(葉酸) |
とりすぎたときの違いは厚生労働省「食生活改善指導担当者テキスト」、上限量は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の耐容上限量によります。水溶性でも、上限量のあるビタミンがあります。
2. 13 種類のビタミン
ビタミンC を除く水溶性ビタミン 8 種類は、まとめて「ビタミンB群」と呼ばれます。B3・B5・B7・B9 は、ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸という名前で呼ばれることが多く、食事摂取基準もこの名前を使っています。
| ビタミン | 分類 | 別名(化学名など) | 成分一覧 |
|---|---|---|---|
| ビタミンA | 脂溶性 | レチノール | 開く |
| ビタミンD | 脂溶性 | コレカルシフェロール(D3)・エルゴカルシフェロール(D2) | 開く |
| ビタミンE | 脂溶性 | トコフェロール | 開く |
| ビタミンK | 脂溶性 | フィロキノン(K1)・メナキノン(K2) | 開く |
| ビタミンB1 | 水溶性(B群) | チアミン | 開く |
| ビタミンB2 | 水溶性(B群) | リボフラビン | 開く |
| ビタミンB3 | 水溶性(B群) | ナイアシン(ニコチン酸・ニコチンアミド) | 開く |
| ビタミンB5 | 水溶性(B群) | パントテン酸 | 開く |
| ビタミンB6 | 水溶性(B群) | ピリドキシン・ピリドキサール・ピリドキサミン | 開く |
| ビタミンB7 | 水溶性(B群) | ビオチン | 開く |
| ビタミンB9 | 水溶性(B群) | 葉酸 | 開く |
| ビタミンB12 | 水溶性(B群) | コバラミン | 開く |
| ビタミンC | 水溶性 | アスコルビン酸 | 開く |
「開く」を選ぶと、成分一覧で、そのビタミンとしてラベルに書かれている成分の表が開きます。成分一覧では、ナイアシンの仲間で NAD の前駆体にあたる NMN・NR もビタミンに入れています(開く)。
3. ラベルの単位と換算
同じビタミンでも、形によって量の数え方が変わるものがあります。米国のラベルでは、ビタミンA は μg RAE、ビタミンE は mg(α-トコフェロール)、葉酸は μg DFE のように、換算した量で書かれます。
| ビタミン | 形の違い(天然型・合成型など) | 重さの単位 | IU | RAE | NE | DFE |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ビタミンA | レチノール(既成型)・β-カロテン(体内でビタミンA に変わる) | μg | レチノール 1 IU = 0.3μg RAE | レチノール 1μg = 1μg RAE。β-カロテンは精製品 2μg・食品由来 12μg = 1μg RAE | — | — |
| ビタミンD | — | μg | 1μg = 40 IU | — | — | — |
| ビタミンE | 天然型(d-α-トコフェロール)・合成型(dl-α-トコフェロール) | mg | 天然型 1 IU = 0.67mg、合成型 1 IU = 0.45mg | — | — | — |
| ビタミンK | — | μg | — | — | — | — |
| ビタミンB1 | — | mg | — | — | — | — |
| ビタミンB2 | — | mg | — | — | — | — |
| ビタミンB3(ナイアシン) | ニコチン酸・ニコチンアミド(上限量が違う) | mg | — | — | ナイアシン 1mg = 1mg NE(トリプトファンは 60mg = 1mg NE) | — |
| ビタミンB5(パントテン酸) | — | mg | — | — | — | — |
| ビタミンB6 | — | mg | — | — | — | — |
| ビタミンB7(ビオチン) | — | μg | — | — | — | — |
| ビタミンB9(葉酸) | 食品の葉酸・サプリの葉酸(folic acid) | μg | — | — | — | サプリの葉酸 1μg = 1.7μg DFE(食品の葉酸は 1μg = 1μg DFE) |
| ビタミンB12 | — | μg | — | — | — | — |
| ビタミンC | — | mg | — | — | — | — |
換算は米国 FDA の手引きによります。IU は国際単位、RAE はレチノール活性当量、NE はナイアシン当量、DFE は食事性葉酸当量。「形の違い」は、形によって換算か上限量が変わるものです。日本の食事摂取基準も、ビタミンA は RAE、ナイアシンは NE で数えます。
4. 不足ととりすぎ・上限量
ビタミンは、足りないと欠乏症が起き、とりすぎると健康障害が起きるものがあります。食事摂取基準は、とりすぎを避けるための耐容上限量を、ビタミンA・D・E・B3(ナイアシン)・B6・B9(葉酸)の 6 種類に決めています。
| ビタミン | 不足すると | とりすぎると | 上限量(成人・1 日) |
|---|---|---|---|
| ビタミンA | 夜盲症・眼球乾燥症 | 一度に大量で頭痛・吐き気・めまいなど。続けて大量で皮膚の乾燥・肝機能の異常など。妊娠中の大量で先天異常のおそれ | 2,700μgRAE(レチノールの量。β-カロテンは含まない) |
| ビタミンD | くる病(子ども)・骨軟化症(大人) | 高カルシウム血症(吐き気・嘔吐・筋力の低下・腎臓結石など) | 100μg |
| ビタミンE | 健康な人ではまれ(脂肪の吸収障害で、神経の障害・運動失調など) | 高用量で出血しやすくなるおそれ | 男性 800mg・女性 650〜700mg(α-トコフェロールの量) |
| ビタミンK | 血液が固まりにくくなる(ふつうの食事では不足はまれ) | 大量でも毒性は認められていない | なし |
| ビタミンB1 | 脚気・ウェルニッケ-コルサコフ症候群 | 通常の食品で健康障害の報告はない | なし |
| ビタミンB2 | 口内炎・口角炎・舌炎・脂漏性皮膚炎 | 余った分は尿に出る | なし |
| ビタミンB3(ナイアシン) | ペラグラ(皮膚炎・下痢・精神神経の症状) | 強化食品・サプリの大量で、消化器(消化不良・重い下痢・便秘)や肝臓の障害 | ニコチンアミド 男性 300〜350mg・女性 250mg、ニコチン酸 男性 75〜85mg・女性 60〜65mg(強化食品・サプリからの量) |
| ビタミンB5(パントテン酸) | まれ(手足のしびれ・灼熱感、頭痛、疲労など) | 健康障害の報告はない | なし |
| ビタミンB6 | 単独の不足はまれ(貧血・口角のひび割れを伴う皮膚炎・舌炎など) | 長く大量にとると感覚ニューロパチー(感覚の神経の障害) | 男性 50〜60mg・女性 40〜45mg(ピリドキシンの量) |
| ビタミンB7(ビオチン) | 皮膚炎・舌炎・食欲不振・吐き気など | 健康障害の報告はない | なし |
| ビタミンB9(葉酸) | 巨赤芽球性貧血 | 大量でビタミンB12 の不足が隠れるおそれ(貧血は改善しても神経の障害は改善しない) | 900〜1,000μg(サプリなど通常の食品以外からの量) |
| ビタミンB12 | 巨赤芽球性貧血・手足のしびれ | 毒性は低い | なし |
| ビタミンC | 壊血病 | 下痢・吐き気・腹部の痛み | なし |
上限量は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の耐容上限量(健康障害をもたらすリスクがないとみなされる、習慣的な摂取量の上限)で、成人(18 歳以上)の値です。性別・年齢で違うものは幅で示しています。「なし」は決められていないものです。不足・とりすぎの例は、食事摂取基準と eJIM(米国 NIH の資料の日本語訳)によります。
5. 使う前に確かめたいこと
サプリメントを使う前に、同じビタミンを重ねてとっていないか、飲んでいる薬や体の状態に合うかを確かめてください。
| 場面 | 確かめること |
|---|---|
| マルチビタミンと単体のサプリを一緒に使う | 同じビタミンが重なることがある。ラベルの量を足して、上限量と比べる |
| 食事とサプリの両方からとる | 食事でとる分も考えて、上限量と比べる。ナイアシンと葉酸の上限量は、サプリなど通常の食品以外からとる分 |
| 薬を飲んでいる | 薬と影響し合うものがある。例:高用量のビタミンE を、ワルファリン(ワーファリン)などの抗凝血薬や抗血小板薬と一緒にとると、出血のリスクが高まる可能性(米国 NIH) |
| 妊娠中・妊娠の可能性がある・授乳中 | ビタミンA のサプリを大量(1 日 3,000μg RAE〔10,000 IU〕以上)にとらない(米国 NIH) |
| 病気などで体に不安がある | 使う前に医療機関に相談する(厚生労働省) |
6. 一次情報
この記事の事実と数値は、次の資料で確かめました。
| 資料 | 発行元・使ったところ |
|---|---|
| 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 | 厚生労働省。総論(耐容上限量の定義)とビタミンの章(不足・とりすぎ・上限量) |
| 食生活改善指導担当者テキスト ~栄養指導・健康教育編~ | 厚生労働省(2021 年 3 月)。ビタミンの定義と脂溶性・水溶性の違い(p.14)、化学名(p.15) |
| いわゆる「健康食品」のホームページ | 厚生労働省 |
| ビタミンAとカロテノイド(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| ビタミンD(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| ビタミンE(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| ビタミンB6(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| 葉酸・葉酸塩(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| ビタミンB12(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| ビタミンC(医療者向け) | 厚生労働省 eJIM(米国 NIH のファクトシートの日本語訳) |
| 葉酸・ナイアシン・ビタミンA・D・E の単位換算の手引き | 米国 FDA(PDF・英語) |